恒例になりました定例総会と組み合わせたアート談義、2021年のお話をいただくアーティストを探していた矢先、「アート体験×創造的な学び」をワークショップ等で積み重ねている私どもの団体アルテ・プラーサに塩澤文男さんからご連絡をいただき、双方でこどもの驚くべき力や感性に共感しあい、塩澤さんの挑戦の繰り返しのお話をいただく機会を得ました。

グラフィックデザイナーの仕事で岡本太郎氏との出会いを契機に、‟絵を描きたい”と画業に進まれた異色の画家塩澤文男さんです。

海神の姫(絵本:処女作)を始め2005年、ジョン・レノン、ローリングストーンズの写真集のデザインや、翌年には、パウル・クレイのプロダクトを任されるなど画業と併せ、多彩な活動を手掛けています。2018年には、京都で本格的な仏画「釈迦と四天王図」を制作されました。

塩澤さんのお話は、このような活動を通して、文化芸術と環境、教育、地域等との接点を考えさせられる内容でした。

(談議の概要)

保育園の子どもたちの遠足で巨大な四天王図と狩野派の涅槃図を見せたところ、園に戻って記憶で描いた子どもの仏画に、子どもの感性やら大きな力に驚かされ、アートで子どもたちの情操を育て、創造的な学びにつながるのではないかと真摯に考え、行動している。子どもだけでなく、大人の心を開放する手助けもアートにはあると考えている。こういう思いもあり宗派を超えた寺院の天井画、襖絵、屏風等を描いている。

また、京都のアンダー35歳の次世代芸術家100人とのプロジェクトや、死を目の前にし、灯油思想の影響を受けたスティーブ・ジョブズの世界の展覧会を企画、これらを通し、伝統は時代の最先端、生きている時代にどのようにして伝統を作っていくのかを若者にメッセージを送りたい。

昨年から函南に在住、長年にわたり地球環境が破壊されて続けていることを憂慮している。未来の大人が地球を守り、次につなげられるよう、こどもたちの創造的な学びの機会をつくっていきたい。

パーカッションの演奏家でもある塩澤氏は、いろいろなアートをつなぎ合わせ、未来の人材を育てることの大切さを語ってくれました。

私たち団体も含め、アートの輪で地域の子どもたちの創造的な学びの応援を発信したいですね。

当日のアーカイブ動画です