2018年にスタートしたアートと地域をつなぐアルテ・プラーサは、地道ですが地域の中にアートの視点が広がるよう、「子どものアートワークショップ」「アートのよろず相談」「アート談義・研修」等地域とアートのコーディネート事業に取り組んでまいり、本年度5年目を迎えました。
この間、特に地域の子どものワークショップでは、企画を地域のアーティストと重ね、大きなキャンバスに力いっぱい描く機会創出など、子どもの感性や創造力を刺激するようなワークショップを続けています。
こういう中で、もっといつでも簡単に楽しめアートに関心を寄せてもらうワークショップができないかと、絵の具で砂に色をつけた、色砂を使った『砂絵』の研修会開催や会員間での実験等をしながら、地域の皆さんにお披露目できるよう準備を進めています。
2022年の総会後に、色砂の色の素材や描く支持体実験、技法、出来上がった作品の砂が落ちないよう定着のし方など試行錯誤の実験をしましたので、その様子をご紹介します。
実験をしながら、絵心があってもなくても砂絵の世界に入り込んでいくと、とても楽しいことを発見しました。地域の皆さんと一緒に色砂で創造の世界を広げていこうと、オリジナル色砂づくりからワークショップの仕立てまでを模索中です。
色砂に関する実験
2022年6月11日
三島市・市民活動センター
① アクリル絵の具で珪砂に色を付けてみる(青・黄)
【結果・感想】
水彩絵の具に比べて、だまが出来やすい印象
色は水彩絵具より鮮やかに出る
乾燥後は水彩同様のサラサラ感あり。ふるいにかければ問題ない。
② 塩とチョークを使った色砂づくり
【結果・感想】
比較的短時間で塩に色がつき、乾燥も必要ない。
パステルカラーの綺麗な色砂にはなるが、チョークの色に限りがある。
③ 紙粘土に色砂を混ぜてみる(黒紙粘土に白っぽい色砂)
【結果・感想】
砂が混ざることで粘土が固くなり、形が作りにくくなる。
混ぜ込むより、粘土表面の色付けに砂を利用する方がいい。
紙粘土を紙半立体として貼ることもできる。
④ 両面テープを使った砂絵表現
【結果・感想】
直線的表現以外が難しい。
使用した両面テープの粘着力だと、多少砂が落ちてしまう。
⑤ クリアファイルにボンドで砂絵表現
【結果・感想】
ボンドを塗っていない部分にも静電気で砂がついてしまう。
砂が汚れっぽく見えてしまい、あまり綺麗に見えない。
⑥ 手張りラミネートフィルムの粘着を使った砂絵表現
【結果・感想】
粘着が弱く砂が薄くつく程度。
粘着面ではないフィルムのみ切って剥がした箇所に砂で色を付けたが、面の1枚のシートだけをカットするのが難しい。
⑦ 貼りパネを使った砂絵表現
【結果・感想】
クッション性があるため、粘着が砂の凸凹に相性が良い。
デザインカッターを使えば、比較的多様な図柄への対応が可能。
ある程度はじめに描くものを考える必要があり、描くより作業になりがち。
パネルの粘着に色をのせた後、上からボンドで色砂を重ねられる。
⑧ 白画用紙に塩色砂で描いてみる
【結果・感想】
ボンドに塩色砂をのせると、じんわり塩が溶けて色味がぼやける。
使いこなせば面白い表現もできそう。
⑨ 黒ではない紙に描いてみる(赤画用紙)
【結果・感想】
画用紙の色が強いと、色砂の色味が感じにくい。
使い方によっては面白い表現にも繋げられそうだが、使い方が難しい。
⑩ 定着剤の代用品を試す (花王ケープ 3Dエクストラキープ)
【結果・感想】
定着力は確かに強い。
水溶性のため、使用場所には注意。
数日後の定着力はどうなのだろうか。