ずっと 好天気が続いていたのに、やや重の雨降りでの1日の始まり。
イベント開催の主催者にとって雨は天敵のような存在…。
でも、今日はオンラインだから、ほぼお天気に左右されない。

今日のワークショップは、先日のリアルワークショップのオンライン版です。初めてのオンラインワークショップの準備は想像以上に大がかりでした。
今回は、インタラクティヴィティを目指した対話型であり、子どもたちに提供する生演奏や、画家による絵画の発信があり、その様子をどう届けるかも撮影や動画のプロの技をお借りしました。
固定カメラやフリーハンドカメラを使用し、何台ものモニターが要所要所に設置され、さながら撮影現場のよう。
司会を始め、演奏家も画家も自分の出番の確認を怠らないよう、リハーサルにも熱がはいりました。

さあ、お昼もそこそこに、いよいよ開始です。
集まる子どもは小学生、予定していた人数よりかなり少なめ。
初めに緊張をほぐしてもらうよう、zoomワークショップへの入室を早めに入ってもらい、まだ慌ただしく準備中の会場の様子を見てもらうようにしました。

zoomでのトラブル発生も想定し、開始前にオンラインのお願いを保護者様にし、いよいよ本番、子どもたちが現れました。
どうしよう、かなりがちがちな感じです。
会場側の大人は笑顔を作ってのスタートです。

オンラインでは、できる限り説明を省くようにし、補足したり、繰り返したりが必要なところは文字情報でお知らせするようにしました。
文字情報の発信は、会員からの提案でしたが、これがとても効果的でした。

少しずつほぐれていく子どもの表情を見ながら、ムーケの「パンの笛」の演奏です。フルーティストとピアニストが、ときに子どもに語りかけるよう、ときに舞い上がり、広い視界を見せるがごとく華麗な演奏で誘ってくれます。子どもだけでなく、大人もこの至福な数分間に酔っててしまいそうです。贅沢なひとときだなぁ。

この後、楽曲を聴いて、どんなイメージを持ったか、例えば、色や、季節、寒暖など何でもありでお話ししてもらいました。
リアルワークショップのときと同じ流れですが、対面に人がいないで、機器に話しかけるような感触があるのでしょうか、いささか小声の発言で、ぎこちなさも伝わってきました。モデレーターが、すかさず言葉を繰り返したり、大きく頷いたりと子どもへの伝え方を工夫しています。
少しずつ、子どもの思いが言葉で表現されていきます。

リアルワークショップのときと違い、意見を言う子どもは、周りの参加者である子どもたちの反応を感じられないことに違和感があるかなぁと思いました。それでも子どもは一度発言すると、場の雰囲気をつかむのも上手です。

演奏を聴いて「みえない音をみる」表現にチャレンジし、絵画からは鑑賞していても音は聞こえないのですが、「聞こえない音を聞く」ことも発想力を高めるのかとも感じました。

最後の表現で、「自分が感じたことを絵にしてみよう」と、今回は参加した子どもの兄妹も保護者様も、会場にいるスタッフもそれぞれに自分の世界を描いてみました。
中には、40年ぶりに絵筆をもった大人もいました。画用紙も縦横組み合わせ自由に、くちゃくちゃにしてから広げて絵の具を使うなど子どもも大人も喜々として絵に向かっています。
特に子どもの夢中になって描いている世界はどんな世界なのだろうかと、早く作品を見たいなぁ~と思わせるような集中度の高さでした!

作品発表は、実に楽しかった!
それぞれに表現された絵は全く違っているのですが、広い空や海、平原など自然の持つ伸びやかさを感じていたことが共通していたのかな?コロナ渦での閉塞感が広いものや自然への思いをイメージさせたのか?
希望が感じられる作品が揃いました。

子どもがオンラインワークショップに参加してどう感じたのか、この場では聞けませんでしたが、アンケートを楽しみにしましょう。

初めてのオンラインワークショップ、打ち合わせや準備等、手探りで進めてきましたので、なかなか大変でした。それでも、ウィズコロナで、子どもが文化や芸術に接する機会が減っているだろうと思うと、少人数のワークショップであれば、丁寧にできると新しい発見もありました。

今後の「子どもとアート」を考える上で、貴重なトライアルワークショップができました。

参加してくれた子どもさんと保護者の皆様、様々なアイデアフラッシュから具体のノウハウまで応援してくださった皆さん、また、トライしましょうね。

 

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