道路にペンキで絵を思いっきり描く。

普段の生活の中ではやりたくてもできない夢のような事を、特別にやることのできるワークショップ「チャレンジ!〜浄化センターの道路に絵を描こう〜」を11月5日、6日に三島市浄化センターで行いました。

たわわに実った葡萄棚横の長い道路に、アーティストの渡邉純さんとマツナガマサエさんが描いた大きな下絵が、秋風の中、参加した子ども達を迎えました。

下絵の近くを通りながら受付へ向かう子ども達はすでに興味津々。下絵を見て「わぁ!」と歓声をあげたり、下絵が描かれているところに入りたくてウズウズしていたりする子も。

はやる気持ちを抑えて、芝生広場の暖かい草の上で説明を受けました。まず、伊豆総業さんから浄化センターの施設説明をしてもらうグループと、下絵に色を塗るグループに分かれて、前後半交代制でそれぞれ活動を行いました。

施設説明

一方の班が「施設が何のためにあるのか」や、「水をきれいにする仕組み」などについて学んでいる中、下絵に色を塗るグループは、道路に描かれた川を協力して塗りました。アスファルトにペンキを塗るのは初めての子が多い中、渡邉純さんから「パンにバターを塗るように塗ってね!固いバターじゃなくて柔らかいバターだよ。優しく塗ってね。」という事を教えてもらい、みんなで塗り進めました。

「教えることがないね」とマツナガマサエさんが言うほど、子どもたちは上手なハケ遣いで塗っていきます。大きくハケを使う思いっきりのいい子、アスファルトの細かい隙間まで埋めようとしている子、塗り方にも個性がでました。

順調に塗り進めていたかのように思われていましたが、さすが長い道路です。ペンキが足りない可能性が感じられるほど、ペンキの残量に一抹の不安を感じてきました。容器に付いたペンキを出すために、地面に容器をコンコンと叩きつけながら出していると、そのリズムに合わせてハケを動かす子ども達。即興のセッションでハプニングも楽しみ、前半のワークショップは終了しました。

後半は施設の説明を聞いたメンバーが今度は海を塗りました。道路に川と海ができたところで、1日目は終了しました。

2日目もお天気に恵まれ、スカッとした青空のもと、午前中は昨日に引き続き大きな面を協力して塗りました。

そのような作業をしている中で、参加者の中学生からこのような話を聞きました。今回のワークショップは対象者の年齢の幅を広く取って募集していましたが、中学生以上の参加者が少なく、同い年の人がいないため、最初は不安だったそうです。それでも、近くで色を塗っている小学校5年生の子と仲良くなることができ、友達になることができたと嬉しそうに話していました。

作品の作成を通して年齢の異なる人と会話をし、年齢の壁を越えて仲良くなることができるのもアートワークショップの魅力ですね。

お昼ご飯で元気をつけ、午後は子ども達の描きたいものを描きました。子ども達は自分の欲しい色を持って、自由に好きな絵を描きます。ペンキ配布場には、まるで大人気の飲食店のような大行列が。ペンキがどんどん売れていくにつれ、道路はどんどんカラフルで賑やかな様子になっていきます。

気づいた時には、みんなの協力によって生み出された迫力と、個人の個性がきらりと光る、素敵な作品が出来上がっていました。きれいな水が守られることで、その水が色々なものたちを生き生きとさせながら、長い旅をしていく様子が伝わってくるようです。

完成した作品は消えてしまうまで、浄化センターで観ることができます。ぜひ、お散歩のついでに浄化センターにお立ち寄りください。

終わりに、今回のワークショップに御協力いただいた伊豆総業のみなさま、三島市職員のみなさま、ありがとうございました。